入社2年目のころ、直属の上司が大きな損失を出した
昔々、私が新卒である会社に入社して2年目のころ、直属の上司が、大きな損失を出しました。
その当時のことを、今でも考えることがあります。
私自身は、上司がその商売を持ってきたとき、「危険なのでは・・・」と思っていました。当時は、ほぼ新人なので、口には出せませんでした。
私が危険だと思った理由は以下の3点でした。
① その当時は、バブル崩壊直後であったこと
② 商売相手が一見さんであったこと
③ わが社としては金額の大きな商売であったこと
会社は、支社長以下、支社を挙げて大喜びしていました。その光景を見ながら、ますます「危ないのでは」とはいえませんでした。
私に何かできることはないかと思い、その商売に係る契約書を読んだりしていました。そうこうしているうちに、値決めの期限をむかえたのですが、値段が決まっていません。そこで、上司に、「この商売ですが、値決めはされたのでしょうか。今日、〇日ですが。」と尋ねたところ、「大丈夫だよ。」の一言。
その後も、「大丈夫なんですか?」と時々尋ねてはいたのですが、「うん、大丈夫。」としか返ってきません。商売の進行状況もわかりませんでした。
そんなある日、いきなり商売が決裂しました。
相手会社が法外な値段での取引を要求してきました。
実は、相手は反社がらみの会社だったのです。怒鳴りこみをかけられ、わが社は不当な要求をのまされました。
会社の他の社員は、「裁判したらいいじゃないか。勝てるだろ、こんなの。」といっていましたが、世の中そんなに甘くないんですよね。反社がらみとボカしましたが、在〇がかかわっているんです。この場合、裁判官だってそちらの方をぶつけてくるので、勝てないといわれています。
会社が訴訟をしなかったのは、敗訴判決をくらうのを避けたかったからではないかと思っています。
今でも考えます。入社2年目でも「危険です。」とはっきり言うべきだったのだろうか、と。でも、支社長以下支社が舞い上がっている場合に、ぺーぺーの話なんかに耳を傾けないだろうな、とも思います。
どうすればよかったのかな。